保育士は、子どもたちの成長にとって無くてはならない存在。やりがいのある仕事とも言えるでしょう。しかし、その一方で保育士が抱える問題も少なくありません。
長時間の勤務、大きなストレス、低い給与など、様々な課題があり、多くの保育士が心身ともに辛い思いをしていることも確かです。
この記事では、保育士がしんどい・辛いと感じている方のために様々なことを紹介しています。
しんどさや辛さを和らげたり、解決するための方法もありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
保育士がしんどい、辛いと感じる5つの理由
ここでは、保育士がしんどさや辛さを感じる5つの理由を紹介します。
保育士がしんどい、辛いと感じる理由は以下の5つです。
- 仕事内容が広範囲にわたる
- 人手不足による過重労働
- 保護者とのコミュニケーションの難しさ
- 子どもたちの問題行動への対応の難しさ
- 給料の低さや待遇の悪さ
仕事内容が広範囲にわたる
保育士の仕事は「子どもたちの保育」と言っても、とても広範囲です。
- 登園前の室内や活動の準備
- 保護者とのコミュニケーション、
- 子どもの健康チェックをしながらの保育
- 怪我がないように安全確認
- 子どもと一緒に食事
など、多くの仕事をこなしています。
1人で同時に複数の仕事を担当することも少なくありません。保育士は常に忙しく、ストレスを感じやすい環境で働いていると言えます。
このように仕事内容が広範囲にわたることが、保育士がしんどい、辛いと感じる理由のひとつとなっています。
人手不足による過重労働
人手不足による過重労働は、保育士が抱える最大の問題です。
- 人手不足によって残業が増える
- 長時間保育を夜遅くまで担当し、通常業務が終わらない
- 人手不足により休暇を取りたい日に休めない
- 休日出勤や夜勤、残業などが当たり前
上記のようになっている職場環境が多く、保育士の精神的な負担も大きいとされています。
厚生労働省の調査(令和4年保育所等関連状況取りまとめ)によると、令和4年度の保育園の待機児童数は2,944人で年々減少しています。
しかし、待機児童の約90%は3歳未満児です。しかも、3歳未満児が、保育所の利用数の42%を占めている現状があります。未満児を保育するためには、より多くの保育士が必要となるので、今だ保育士不足は深刻な状況にあります。
こうした問題を解決するため、地方自治体などは保育士の募集に力を入れたり、保育士育成に力を入れたりするなど、様々な取り組みが行われています。しかし、現状は依然として改善されていないため、保育士自身が自己管理をしっかり行い、健康を維持することが求められています。
このように人手不足による過重労働から、体調を崩したり、精神的疲れから「仕事に行くのがしんどい、辛い。」と感じてしまうのです。
保護者とのコミュニケーションの難しさ
保育士にとって、保護者とのコミュニケーションや信頼関係を築くことはとても難しいものです。
保護者とのコミュニケーションや信頼関係を築くことが難しい理由としては、
- 家庭の背景、性格など、保護者一人ひとりに対して異なる関わり方が必要
- 子どもに対する保護者の期待が大きく、その期待に応えることが難しい
- 保護者からのクレームや不満が多い
などがあります。
保育士も人間なので、性格が合わない、なんとなく苦手と感じる保護者も存在するでしょう。
自分が受け持つクラスに一人でも苦手な保護者がいると、仕事に行くことが辛く、しんどくなってしまう場合もあります。
子どもたちの問題行動への対応の難しさ
保育士にとって、子どもたちの問題行動への対応は心身ともにしんどい原因になります。
子どもたちの問題行動には様々な種類があり、それらに対処するためには経験や知識が必要です。しかし、いくら経験や知識があったとしても、子どもひとり一人個性があるので、その子によって対応は全くの別物になります。
- 何をしても言うことを聞いてくれない
- 友だちを叩いたり、噛みついたりする
などが繰り返されることで対応に困り、しんどさや辛さを感じるのです。
給料の低さや待遇の悪さ
保育士の給料や待遇の悪さも、辛さやしんどさの原因となります。保育士の平均年収は約300万円と、他の教育職種と比べて低い水準です。非正規雇用として働いている保育士もたくさんいます。
特に、非正規雇用として働いている場合は、正規職員よりもさらに給与が低く、社会保険や退職金制度などの福利厚生も不十分な職場も多いのが現状です。また、長時間労働による過労やストレスを抱えるケースも多くなります。
保育士の仕事が好きでも、長く働き続けるには困難をともなう環境にあると言えるのです。
保育士がしんどさや辛さを軽減する方法
保育士は、過重労働やストレスによって心身ともに疲れやすい職業です。そこで、保育士がしんどさや辛さを軽減するための方法をいくつかご紹介します。
仕事とプライベートのバランスを取る
仕事とプライベートのバランスを取ることは、ストレスを軽減するために大切です。仕事が終わったら、リフレッシュできる時間を確保しましょう。
また、保育中にプライベートのことは考えずに集中できるように、出勤前や帰宅後にはしっかりとリフレッシュすることも必要ですね。
同僚との協力や情報共有を行う
保育士は、同僚と協力して仕事を進めることが必要不可欠です。保育士同士で情報共有を行い、意見を出し合って解決策を見つけることで、保育がスムーズに進むだけでなく、ストレス軽減にもつながりますよ。
自己管理に気をつける
保育士は、子どもたちの健康や安全を守るため、常に気を配らなければなりません。そのため、自己管理に気をつけ、健康管理や十分な睡眠を心がけることが必要です。
また、ストレスを感じた場合には、早めに上司や同僚に相談しましょう。辛さやしんどさを和らげることができますよ。
ストレス発散のための趣味やスポーツを楽しむ
ストレス発散のために、趣味やスポーツを楽しむことも有効です。
仕事のことばかりを考え、ストレスをためこんでしまうと、心身ともに疲れてしまいます。週末や休日には、自分の好きなことをして、リフレッシュする時間を作りましょう。特に、体を動かすことはストレス発散になるのでおすすめですよ。
給与や待遇の改善をする
保育士のしんどさや辛さを軽減するには、給与や待遇の改善が必要です。また、保育士は、有給休暇の取得率が低かったり、非正規雇用者として働いている人が多かったりします。仕事が大変だったとしても、それに見合った給料や休みがもらえれば、ストレスや疲れを感じることは減ります。
保育士が働きやすいように、上司や組織に給与や待遇の改善を求めることができる環境であれば働きかけてみましょう。
給料や待遇に関しての働きかけが難しいのであれば、転職も視野に入れることをおすすめします。
保育士として働く上で大切な4つのこと
しんどさや辛さを感じながら働いていると、体調を崩してしまうこともあります。保育士として働く上で、心身ともに健康で長期的に働くために大切な4つのことを紹介します。
無理をしないこと
保育の現場では、急な変更や予期せぬ事態が起こることがあります。また、長時間の立ち仕事が多く、身体的な疲れがたまりやすいです。無理をして働きすぎると、ストレスや疲れがたまり、心身ともに健康を損なうことになります。
自分の限界を理解し、無理をしないことが大切ですね。
自分の力量や限界を理解すること
保育士は、子どもたちが安全に過ごせるだけでなく、質の高い保育を提供することが求められます。しかし、保育士にも限界があり、完璧な保育を行うことはできません。自分の力量や限界を理解し、周りの人と協力して保育を行うことが大切ですね。
楽しみややりがいを見つけること
保育士が生き生きと働くためには、楽しみや、やりがいを見つけることも必要です。子どもたちと遊ぶことや、成長を見守ることに楽しみを感じられれば、仕事にやりがいを感じられるでしょう。
仕事が楽しくなれば、辛さやしんどさをやわらげることにつながりますよ。
保育士がしんどい、辛いと感じた時の対処法
保育士がしんどい、辛いと感じたときの対処法をいくつか紹介します。
同僚や上司に相談する
保育士がしんどいと感じたら、まずは職場の同僚や上司に相談してみましょう。
同僚や上司は、保育士の立場に立って相談にのってくれることが期待できます。また、保育士の負担を軽減するために、スケジュールの見直しや働く環境への配慮など、職場全体で協力してくれることもありますよ。
心理カウンセリングを受ける
しんどさや辛さを感じたら、心理カウンセリングを受けることも一つの手段です。
保育士は、仕事上のストレスやプレッシャーによって、精神的な問題を抱えることがあります。心理カウンセリングを受けることで、自分の気持ちを整理することができ、問題の解決やストレス解消につながりますよ。
「カウンセリングに行くのって勇気がいる・・・。」
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転職を検討する
保育士がしんどい、辛いと感じたら、転職を検討することもひとつの選択肢としておすすめです。
職場の環境や給与、労働時間、福利厚生な労働時間や待遇などに不満を持っていた保育士が転職をするケースは少なくありません。
前の職場よりも環境が整っている保育園に転職したところ、ストレスが減り、やりがいを感じられるようになったという保育士もいます。
転職をするときには、給与や勤務時間など、自分に合った条件を優先して転職先を選びましょう。
自分の条件に合った仕事を探すなら保育士専門転職サイトがおすすめです。不安な点があれば担当の方に聞いてみるなど、情報収集をしっかりと行い、より良い職場を選びましょう。
休職や退職を決断する
仕事に行くのが辛い、しんどいと感じたら、休職や退職を決断することも必要です。
保育士は育児・保育に関する専門職であり、子どもたちの成長を支える大切な仕事。しかし、保育士の業務は過剰な負荷がかかる場合もあり、職場によっては過酷な労働環境に置かれることもあります。そのため、ストレスや疲労などの問題が発生し、最悪の場合は体調を崩して働けなくなってしまうこともあります。
休職や退職を検討している場合は、
- 生活費など今後の生活への影響はどうか
- 次の仕事はどのように探していくのか
など自分自身がどのような状況にいるのかを冷静に考え、その上で判断しましょう。
まとめ
保育士は子どもの成長を身近で感じられるステキな仕事です。
しかし、人間関係などのストレス、低い給与など、様々な問題が存在しています。そのため、多くの保育士が心身ともに辛い思いをしていることも確かです。
保育士がしんどい、辛いときには、生活環境を変えることで気持ちが楽になることもあります。
転職をしたら給料が上がり、仕事のストレスも軽減されたという方もたくさんいます。
「本当は保育の仕事を続けたい。」と考えている方は、新たな職場でのスタートも視野に入れてください。
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