パート保育士の方がいいって聞いたけど…本当かな?
パート保育士は、時間の調節がしやすかったり、生活スタイルに合わせた働き方ができたりする魅力があります。
でも、パート保育士の方が”絶対にいい”とは言えるものではないんです。
私自身、正規保育士とパート保育士を経験していますが、それぞれのメリットやデメリットを感じています。
今回は、
- パート保育士の仕事内容
- メリット・デメリット
- パート保育士が向いている人は?
など、パート保育士の現実について包み隠さず紹介します。「働き方を変えたい。」と考えている方は、今回紹介する内容を頭の片隅に入れながら働き方を検討してみてください。パート保育士の魅力と現実をより深く理解し、自身の働き方を見つめ直すきっかけにしてくださいね。
パート保育士の方がいいは嘘だと思う理由
「パート保育士の方がいい」という意見を耳にすることもあるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
私は正規保育士もパート保育士も両方経験していますが、一概にパート保育士の方がいいとは言えません。
「パート保育士の方がいいのは嘘」このように私が思う理由を以下に紹介します。
嘘だと思う理由
- 人間関係の悩みはある
- 我慢をしないといけないこともある
- 保育年数は関係なくなる
人間関係の悩みはある
保育士の仕事は、子どもたちとの関わりがメインで、子どもたちの成長や発達をサポートする重要な役割を果たしています。しかし、保育現場では、子どもだけでなく他の保育士や保護者との関わりも重要です。
パート保育士とは言え、人間関係の悩みはあります。パート保育士だからこそ人間関係が複雑になってしまうこともあるのです。また、意見の違いやコミュニケーション不足などでストレスが溜まるのは、正規保育士もパート保育士も一緒です。
我慢をしないといけないこともある
パート保育士の場合、正規保育士と比べて勤務時間や勤務日数が少ないです。そのため、人手不足のときに急に園から呼ばれるなど、急なシフト変更や予定外の勤務依頼があることもあります。
断ることが苦手な方は、「人手不足なら出勤しよう。」と考え、自分の予定や都合が後回しになってしまう可能性があります。その反対で、人手が足りているからとの理由で出勤しても帰らされることもあります。
また、パート保育士は働いた時間の分だけお金をもらえる「時給制」を採用している施設が多いので、与えられた時間内で働かないと損をしてしまう可能性があります。それなのに
注意
- 休憩時間なのに仕事をさせられる
- 退勤時間を過ぎているのに帰れない
このような事態に遭遇することもあります。
保育年数は関係ない
例え、あなたが保育歴が長い保育士であったとしても、パート保育士である以上は正規保育士の方が立場が上です。自分よりも保育歴が短い、もしくは若い保育士の保育や対応に不満があったとしても、正規保育士の指示に従わなければならないこともあります。
「自分だったらこうするのに。」「こんな保育はおかしい。」などと感じる場面に遭遇した場合でも、自分の思いを伝えられなかったり、伝えたところで受け入れてもらえないこともあるでしょう。
パート保育士は正規保育士よりも負担は少ないですが、パートだからこその悩みも増えます。
パート保育士の仕事内容
パート保育士の仕事内容は保育施設によって違います。ここでは一般的な保育施設での仕事内容を紹介します。
正規保育士の補助や担任保育士の補助
パート保育士は、正規保育士のサポートや担任保育士のサポートとして活動します。子どもたちの安全管理や日常生活の手助け、遊びや製作の援助など、保育に関わるさまざまな仕事を行います。
正規保育士と協力しながら、子どもたちの健やかな成長を支える役割を果たします。
フリー保育士として各クラスを手伝う
パート保育士は、フリーの保育士として、さまざまなクラスの手伝いに入ります。たとえば、人手不足のクラス、特別なケアが必要な子どもたちのクラスに配属されて保育を行います。
さまざまなクラスに入って仕事をするため、コミュニケーションに対しての柔軟性が求められます。
書類整理などの雑務
パート保育士には、保育業務だけでなく、書類整理や掃除、製作準備などの雑務も含まれる場合があります。これらの業務は、保育士たちがスムーズに保育ができるために必要なことです。
パート保育士でも、責任を持って業務を遂行し、効率的な保育環境を整えるためには、雑務にも積極的に取り組む必要があります。
パート保育士の給料や待遇
パート保育士の給料や待遇について、以下に紹介します。
平均時給
パート保育士の給料は、地域や施設によって異なりますが、一般的には正規の保育士と比べて時給が低くなる傾向があります。
政府統計の総合窓口e-Stat 2019によるとパート保育士の平均時給は、平均で1,147円程度とされています。地域や施設によって違いはあるものの、900円から1,200円前後の時給がもらえているようです。
パート保育士は働いた時間だけ給料をもらえるので、時給ができるだけ高いところで働いた方がいいですよ。
ボーナス
パート保育士の場合、ボーナスの支給は基本的にはありません。ボーナスは正規の保育士に対して支給されることが多く、パートの雇用形態では一般的にない給付です。経済的な面でのメリットを求める場合には、ボーナスの支給がないことを考慮する必要があります。
私はパート保育士でもボーナスが支給される保育園で働いています。たくさん支給されている訳ではありませんが助かります。
パート保育士でもボーナスが支給される施設もあるので、パート保育士への転職を考えているならボーナスも考慮して探してみましょう。
福利厚生
福利厚生とは…給料や賞与以外で受け取れるサポートのこと
宿泊施設でサービスが受けられたり、住宅補助が受けられたりする場合もあります。
パート保育士の福利厚生については、施設や雇用形態によって異なります。一部の施設では、パートでも福利厚生を受けられるように整備されていますが、全体的には正規の保育士に比べて福利厚生が劣る傾向です。
社会保険や退職金などの制度が提供されるかどうかも、事前に確認する必要があります。
社会保険
社会保険とは…「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の5つです。
パート保育士の場合、社会保険への加入は義務ではありません。正規の保育士と比べて雇用形態が不安定なため、保険料の負担を抑えるために加入しないケースもあります。
しかし、病気や怪我などで休業する場合には、社会保険に加入していないと給与が支給されない可能性があるため、自己負担での医療費や生活費に備える必要があります。
有給休暇
パート保育士でも有給休暇が付与される場合があります。付与日数は勤務形態や施設によってさまざまです。
しかしパート保育士の場合、有給休暇の取得は難しい場合があります。勤務日数や勤務時間が限られているため、有給休暇を取ることができる機会が制約されることが多いからです。
パート保育士のメリット・デメリット
パート保育士のメリットとデメリットについて、以下に紹介します。
パート保育士のメリット
パート保育士のメリットはこちら。
メリット
- 時間の融通が利きやすい
- 休みが取りやすい
- 仕事の負担が少ない
- 応募から採用が早い
パート保育士のメリットは、「働き方」に関するものが多いです。詳しく紹介していきます。
時間の融通が利きやすい
パート保育士の仕事は、正規の保育士と比べて勤務時間や勤務日数が調整しやすいです。家庭やプライベートな予定との両立がしやすく、自分の都合に合わせて働けるのはパート保育士のいいところです。
休みが取りやすい
パート保育士の場合、勤務日数が少ないため、休みを取りやすいことがあります。自分の都合で休暇を取れるため、家族や自分自身の大切なイベントに参加したり、リフレッシュする時間を確保することができます。
仕事の負担が少ない
正規の保育士に比べて、パート保育士の仕事は勤務時間や業務量が少ない場合があります。そのため、身体的な負担やストレスも軽いと言えます
応募から採用が早い
パート保育士の求人募集は、正規の保育士と比べて募集が多く、応募から採用までが早いです。保育園や幼稚園などの施設によっては、人手不足を補うために即戦力としてパート保育士を積極的に採用している場合もあります。
パート保育士のデメリット
パート保育士のデメリットはこちらです。
デメリット
- 給料や待遇面で正規より劣る
- できることが限られる
- 正規保育士に合わせざるを得ない
デメリットで多い内容は「正規との違いを実感する」ということです。詳しく紹介していきます。
給料や待遇面で正規より劣る
パート保育士の給料や待遇は、正規の保育士と比べて劣る場合があります。正規保育士と同じ勤務時間でも、トータルの給料はパート保育士の方が圧倒的に少ないです。
経済的な面での安定感を求めるならパート保育士よりも正規保育士の方がいいでしょう。
できることが限られる
パート保育士の仕事では、正規の保育士と比べてできることが限られる場合があります。勤務日数や勤務時間の制約があるため、保育業務や子どもたちへの関わりが限定される可能性があります。
「もっとこうしてあげたい!」このように考えていても、正規保育士の手前できないこともあります。
正規保育士に合わせざるを得ない
パート保育士の場合、正規の保育士と協力して業務を行うことが多いです。そのため、正規保育士のスケジュールや方針に合わせなければならないことがあります。柔軟性や適応力が求められ、自分のペースやアイデアを発揮する機会が限られるかもしれません。
パート保育士の方で働く方がいい人の特徴
先ほどパート保育士のメリットやデメリットを紹介しました。それでは、パート保育士の方がいい人の特徴を紹介します。
給料よりも勤務時間が優先
パート保育士は給料よりも、勤務時間や勤務日数を重視する人に向いています。家庭やプライベートの時間を大切にしながら、保育士としての経験ややりがいを得たいと考える方に適しています。
休みを取りやすいので、小さな子どもを持つ方にもおすすめです。
仕事をできるだけ少なくしたい
パート保育士は、仕事の負担やストレスを軽減しながら、子どもたちと関わる機会を持ちたいと考える方にも向いています。正規保育士に比べて書類などの負担は少なく、持ち帰り仕事もほとんどありません。
家庭を優先させたい
家族や子育てなど、家庭を大切にしたいと考える人に向いています。パート保育士の勤務形態は柔軟であり、家庭との両立をしやすい環境が整っているため、自分の時間や家族との時間を優先させることができます。
まとめ
パート保育士の仕事には、人間関係の悩みや我慢が必要なこと、保育年数の関係なさなどのデメリットが存在します。一方で、時間の融通や休みの取りやすさ、仕事の負担の軽減などのメリットもあります。
あなたのライフスタイルや目標に合わせて、パート保育士の仕事を選ぶかどうかを慎重に考えることが大切ですよ。
私は子育てを理由にパート保育士になりましたが、今はパート保育士として働くことが自分に合っていると思います。
子どもが大きくなってきたので、もう少ししたら正規保育士として働くことも検討しようと考えています。保育士不足に悩んでいる保育施設は多いので、求人サイトを見ればあなたの身近にも今よりも待遇の良い職場があるかもしれませんよ。
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