休みの日でも常に仕事のことを考えている
有給休暇を取ることができない
定時に帰れたことがない
このような状況がひとつでも当てはまれば、あなたはブラック保育園で働かされている可能性があります。
私は10年間もの間、ブラック保育園で働いていました。
現在は辞めて別の保育園で楽しく仕事をしています。
ブラック保育園を辞めて思ったことは「もっと早く辞めればよかった。」という後悔です。
この記事を読んでくれているあなたの保育園も「ブラック保育園」かもしれません。
今回はブラック保育園の特徴や私のブラック保育園体験記を紹介していきます。
結論からお話するとブラック保育園で働いていると感じているなら、できるだけ早く転職をおすすめします。
悪い環境で働き続けると体を壊してしまったり、一度きりの大切な人生の中でムダな時間を過ごしてしまうからです。
「私の保育園もブラックかもしれない。」そんな風に思っているあなたに合った保育園が他にもきっとあります。
保育士専門の転職サイトをぜひチェックしてみてください。
ブラック保育園の特徴
ブラック保育園の主な特徴は5つ。
ポイント
・給料が少ない
・仕事量が多い
・有給休暇が取得できない
・人材不足
・職場の人間関係・雰囲気が悪い
この5つのどれかに当てはまる場合はブラック保育園の可能性があります。
給料が少ない
ニュースなどでも話題になりましたが保育士は一般企業よりも給料が少ないと言われています。
・保育士の月額平均給与額 約24万5,800円(37.6歳の場合)
・年間賞与その他特別給与額は約74万7400円。
・平均年収額 約369.7万円
引用:厚生労働省(令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況 ) HP
ただでさえ保育士は給料が少ないのに、これ以上あきらかに給料が少ない保育園はブラックと言えます。
私が働いていたブラック保育園での平均年収は340万円(勤続9年目)。毎日最低2時間の超過勤務、月2回の土曜出勤をしてこの給料・・・。どう考えても少なすぎます。
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仕事量が多い
行事や製作物の準備など、保育士は保育園に子どもたちがいる時間以外にも仕事がたくさん。
多少のサービス残業はある意味仕方がないと割り切らないといけないこともありますが、明らかに残業時間が長かったり、持ち帰りの仕事が多いのはブラック保育園です。
毎日2時間以上残業していたり、休みの日もやらなければいけない仕事が常にある状態は心身ともに疲れてしまいます。
有給休暇が取得できない
保育士は休みが取りづらい仕事ではあります。一人担任をしていると特に休みが取りづらいと感じることもありますよね。
ですが、保育士として働いている全ての方が休みを取れないわけではありません。
通常の保育園は、休みを取る日にはパートや主任などが代わりにクラスに入ってくれるようになっています。
また、有給休暇は働いている方は必ず取ることができる制度です。
Q&A
Q・年次有給休暇を取得すると、不利益な扱いを受けそうです。
A・使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、その労働者に不利益な取り扱いをしないようにしなければなりません。(労働基準法附則第136条)。
不利益な取り扱いとは、休んだことによる賃金の減額など、年次有給休暇の取得を抑制するような全ての取り扱いが含まれます。
引用:厚生労働省HP
有給休暇は取らなければいけない休み。それなのに休みを取れないような環境の保育園はブラックとしか言いようがありません。
人材不足
保育士不足がニュースでも話題になりましたが、保育園によってはとにかく保育士が足りず、ギリギリの状態で運営していることがあります。
保育士の配置基準(保育士1人に対しての子どもの人数)が厚生労働省で定められています。
- 0歳児3人に保育士1人
- 1.2歳児6人に保育士1人
- 3歳児30人に保育士1人
- 4歳児40人に保育士1人
このように人数が定められていますが、実際のところは保育士の人数を基準より多く配置している保育園が多いです。
加配が必要な子どものために加配保育士がクラスに配置されていたり、30人の学年を二つのクラスに分けて保育士を配置するなどできるだけ手厚い保育ができるように考えられています。
保育士が足りないブラック保育園は辞めてしまう方が多かったり、給料を少なくするために保育士の人数を最低限にしていたりするなど労働環境が悪いことが考えられます。
職場の人間関係・雰囲気が悪い
人間関係が悪いブラック保育園には独裁的な園長や副園長がいたり、お局様的な存在の保育士がいることが多いです。
自分が気に入られていればまだ良いこともありますが、もし目をつけられてしまったら毎日仕事に行くことが辛くなってしまうことも。
また、例え自分が被害にあっていなくても他の保育士の悪口を聞かされることがストレスになってしまうこともあります。
仕事が大変でも人間関係が良ければ仕事を続けることができると言われるくらい、人間関係や職場の雰囲気は働くうえで大切です。
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私のブラック保育園体験記
私はブラック保育園で10年間働いました。その時の経験をつづっていきたいと思います。
実はブラック保育園で働かされていたことに気がついたのは、辞めてから数年後なんですけどね。
私が働いていたのは私立の幼稚園・保育園の両方を運営する組織です。割りと大規模な組織で、何年かに一度異動があるため配属先が幼稚園だったり、保育園だったりします。
帰宅は早くて21時
私が初任で配属されたのは幼稚園。年少の一人担任を任されました。
右も左も分からない状態での一人担任。とにかく毎日必死です。
先輩保育士に教えてもらいながら(いじめと思われることもされましたが)子どもたちのためにがんばっていたのですが・・・。
帰宅は早くて21時。ひどい日には23時を過ぎていました。夕飯も食べずに23時・・・。
これじゃあ体を壊します。というか体を壊してしまったんです。
熱が37.5度あっても休むことができずに保育をする
朝から熱が37.5度あり病院に行き点滴をしました。本来なら点滴などせずに寝ていれば治ったのですが、仕事を休むことができなかったんです。
点滴を打ったことを知っていても「休んでいいよ。」とは誰も言ってくれませんでした。 言われたのは「がんばって来てえらいね。」です。
いくら点滴をしたって頭痛とだるさは収まりません。そんな中でも保育をしなければなりませんでした。
立っていることもやっとで、子どもたちには申し訳なかったのですが横になりながら自由遊びを見守りました。
今思えばブラック過ぎると思うのですが、当時の私はそんなこと思いもしません。自分の体調管理の甘さがみんなに迷惑をかけてしまって申し訳ないと思っていました。
自律神経失調症&サザエさんシンドロームになる
先輩保育士からちょっとしたイジメを受け、仕事が終わったらシャワーを浴びて寝るだけの毎日を過ごしていましたが体調は悪化。
ついにストレス性の胃炎と自律神経失調症を発症してしまいました。
そして日曜日の夕方になると幼稚園に行きたくないあまりに自然と涙がでたり、憂鬱になってしまうことが多くなっていました。
この症状は「サザエさん症候群」というそうです。
サザエさん症候群とは
日曜日の夕方から深夜、「翌日(月曜日)からまた通学や仕事をしなければならない」という現実に直面して憂鬱になること
引用:Wikipedia
保育士になってからひとり暮らしをしていたため、実家で過ごしてから自分の家に帰る日曜日の夕方は特に気持ちが落ち込んでいました。
「仕事に行くことが怖い。」「もう辞めたい。」「辞めたいけど子どもたちのために途中で辞められない。」
そんなことを考えながら過ごす日々。とても辛かったです。
そんな状態でなんとか2年間働き、異動が叶ったことで次は保育園に配属されました。
未満児クラスの担任!早く帰れると思ったら・・・。
未満児クラスの複数担任。一人担任と違い仕事の量が少ないため6時頃には仕事を終えることができました。しかし、以上児のクラスは一人担任のため遅くまで仕事をしています。
「自分の仕事が終わっても他のクラスを手伝いなさい。」という無言の圧力があったので定時で帰ることは叶いませんでした。幼稚園で働いているときよりも早く帰れていたのでさほど気にしていませんでしたが・・・。
パート保育士が増えて仕事量が倍に!超勤もつけられない
保育園に移動して1年後、働いていた組織の経費削減のため働く職員の半分がパート保育士になりました。
パート保育士は時間内の勤務になるため活動の準備や土曜日の出勤などは正規保育士の仕事。
帰る時間はどんどん遅くなり、土曜日の出勤は増えていく。
明らかに超過勤務なのに「職員会以外は超過勤務はつけないでください。」と言われる始末。
今考えるとブラック過ぎるを通り越して「なんでこんな保育園を早く辞めなかったんだろう。」と自分自身にあきれます。
しかも土曜日出勤の場合は平日に休みを取ることができるはずなのですが、そんなことはできませんでした。「その分はお給料で還元します。」と言われましたが本当に給料に入っていたのかは今も謎のままです。 (私が調べた限りは入っていませんでした。)
育休後に復帰。時短ができるはずなのにできない。
育休は1年と決まっていたので子どもの1歳の誕生日に復帰しました。時短ができるとのことだったのでお願いしたものの、一人担任のため早く帰ることはできず・・・。
長時間保育当番を免除してもらっただけで何一つ変わりませんでした。
保育園に子どもを預けていましたが、送り迎えの時間に間に合わないため義母にお願いしていました。
仕事のために朝は7時に出て、帰宅は6時過ぎ。そのため、当時の子どもの担任の先生とはほとんど顔を合わせていません。
突発性難聴になる。転職を考え始める。
ブラック保育園で働くだけでも大変なのに、育児もプラスされてストレスはマックスに。
ある日、急に片耳が聞こえなくなって耳鼻科で検査をしてもらうと突発性難聴になっていることが発覚しました。その場で即入院。
「もうこんな保育園で仕事を続けるのはムリかもしれない。」
ここまで来てやっと転職を考え始めました。
仕事のストレスからイライラしてしまったり、子どもが体調を崩していても仕事を休めなかったり・・・自分だけでなく家族にもつらい思いをさせてしまいました。
こんなことをしていては自分も家族もダメになってしまうと思い、この年の10月頃に退職の意思を伝えました。
園長先生からは引き止められ、パートで働くことも提案してもらいました。しかし、この園のパートの時給の安さを知っていたのでお断りさせていただきました。
転職先が無事決まり、ブラック保育園から解放される
転職サイトや保育士仲間の話を参考にしながら仕事を探し、無事に新しい保育園でパート保育士として働くことが決まりました。
実際に別の保育園で働いてみて感じたこと、それは「私はブラック保育園で勤めていたんだ。なんてムダな時間を過ごしていたんだろう。」
パート保育士になったので正規保育士よりも早く帰れますし、仕事の負担も少ないです。
ですが、新しく働き始めた保育園では正規保育士も定時で帰ることができますし、比較的休みも取りやすいように工夫されています。
園長も「残ったら残業つけておいてね!」と声をかけてくれますし、土曜日の出勤も三か月に1度。(私がいたブラック保育園では土曜日の出勤はひと月に2回から3回ありました。)
給料はブラック保育園とほとんど変わりありません。「なんでもっと早く辞めなかったんだろう。」と改めて後悔しました。
というか、これならパート保育士にならなくても正規保育士として働くことができたのではないかとも思いました。
長く同じ園で働いていると当りまえになってしまうことも多くなりますし、新しい環境に飛び込むのも勇気がいります。
でも、体調を崩すほどひどい待遇のブラック保育園で勤め続けるのは人生のムダだと心の底から思いました。
私のように体調を崩してからじゃ遅いので、あなたが働いている保育園がブラックと感じたら早めに転職を考えてくださいね。
自分がブラック保育園で働いていると感じたら
私ってブラック保育園で働いているのかもしれない 。
そう感じているのなら転職を考えることをおすすめします。
私はブラック保育園で10年という長い時間を過ごしました。 それだけの長い時間を過ごしていると「今の環境が普通」と勘違いしてしまうんです。
また、新しい保育園で最初から仕事を覚えたり、人間関係を築くことに対する不安を感じてしまうことで新たな一歩を踏み出すことができませんでした。
ですが、実際にブラック保育園を辞めて新しい保育園で働くようになって感じたことは
もっと早く辞めればよかった 。自分の体を壊し、家族にも辛い思いをさせて大切な人生をムダにした。
この一言につきます。
ブラック保育園を辞めて手に入れたメリット
- 仕事量が少ないのにお給料は高くなる
- 保育園に対するストレスが減ることで家庭に悩みを持ち込まなくて済む
- 自分の時間が大幅に増えた
転職することはとても勇気がいることです。でも、これから先の時間や人生をムダにしないように新しい道を切り開くことも大切だと実感しています。
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今より良い保育園で働くためにやるべきこと
ブラック保育園を辞めて今より良い環境の保育園で働きたい!そんなときには、あなたの周りにどのような働き場所があるのかを情報取集してみましょう。
保育士が転職先を探すためにおすすめの方法は転職サイトです。
転職サイトを使うメリット
・空いた時間に転職先をチェックできる
・プロのアドバイザーがあなたにあった保育園を探してくれる
・事前に保育園の雰囲気や労働環境を調べることができる
転職サイトを使えば、働きながらでも簡単に転職先を調べることができます。
今すぐ転職することができなくても、退職できる時期になったらブラック保育を辞めて働こう!と目星をつけることもできますよ。
ブラック保育園で無駄な時間を過ごすのはやめよう!
「慣れ」というのは怖いもので、慣れてしまうと自分が置かれている環境が普通だと勘違いしてしまいます。
私はそのせいで10年もの長い月日をブラック保育園に費やしてしまい、とても後悔しています。
新しい保育園で働くようになった現在は楽しく仕事ができているので転職してよかったと本当に思っています。
「私が働いているのはブラック保育園かもしれない。」
もしそのように感じているのなら、時間をムダにしないためにも新しい保育園で働くことを考えてみてください。
これからの人生を大切に、楽しく過ごせるようにしよう!